白と黒

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その変化に気付く者は殆ど居ないだろうが・・・ 今この場に集まっている者にはわかる程の動揺が蒼から見て取れた 去っていく蒼の背中を見ながら右京は司沙に一言投げた 「ほんっとうにアンタって性格悪いわよね」 「何がですか」 「何って・・・確信犯じゃないのよ」 「いやだなー、僕はただ純粋に自分の正義を貫けるのを羨ましいなーって思っただけですよ それに・・・名前を出して話した訳じゃないですし」 悪意が全く無いかの様に右京に笑いかける司沙 「貴方たちが誰を思い浮かべて話しているのかちょっと僕には解りませんけどね」 そう言いながら廊下にあった自販機でおもむろにコーヒーを買い、口にする司沙 「ただ・・・“隊長殺し”と言われているだけの事はあるんじゃないかなって思うだけですよ」 「・・・ほんとに性格悪いわ、アンタ」 思わず右京はそう口にした ・・・・・・・・・・・・・・・ Sクラス本部にて 「蒼・・・」 「・・・・」 「蒼・・・・・・」 「・・・・・・・・・・」 《コト・・・》 話しかけても返事をしない蒼にそっとコーヒーを淹れる志義 蒼いつものブラックコーヒー・・・なんと出来た部下なのだろうか おもむろにコーヒーを口にする蒼 「・・・・志義」 「なんですか?」 「なんですかじゃないよな・・・このやろう」 何故あの冷静な神崎蒼隊長が顔をしかめているのか それは至極簡単な事だ 「お前の背後にあるスティックシュガーの空袋6つとクリープとガムシロはなんだ」 「何って・・糖分ですけど、何か問題でもありますか?」 さも当たり前の様に答えて不思議そうな顔をする志義 「確かにお前のコーヒーはこれが常識なのかもしれないがな・・・人知を超えてるんだよ 身体能力は人知を超えていて大いに結構なんだが味覚まで超えられたら対応しきれんからな」 「こんな出来た部下に味覚がバカなんて言ってくれますね・・・このロリコンさんめ」 「・・・・・・・は」 いきなりロリコン呼ばわりされて起こる前に何故そうなったのか問いただした蒼
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