無上の清涼飲料水

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空を見上げると、そこには深い紺青のキャンパスに赤や青、白などの色とりどりに輝く星が自然な配分で散りばめられていた。 「つまり、やっとサウィダーが使える!」 丸茂が俺の首根っこをいきなり大きな手で鷲掴みにした。 そして体がふわっと浮いたかと思うと、めまぐるしく景色が移り変わっていった。 俺はあまりに驚いたものだから、いままで我慢していたげっぷを景色が移り変わる度に何度もしてしまった。 生い茂る木々、公園、生い茂る木々の隙間を縫うようにできた、ぐねぐねと曲がりくねった細い道、何か恐ろしいものが出そうな、横幅だけが長い小さな廃病院である我らサウィダー部の部室。 ……いやはや、丸茂の馬鹿力には適わん。
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