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真夏の炎天下の中を待つこと15分。
ようやく冷房のきいた屋内に入りホッと胸を撫で下ろす。
「涼しい」
と呟いて列の前の方を見ると、左手にペンを持った真宮寺くんらしき人の姿が見えた。
私の事なんて覚えてないかも知れないけど、もし気付いて貰えたら……ちょっと嬉しいかも。
そんな事を考えながら、徐々に近付いて来る自分の順番をドキドキしながら待っている。
「瑞希ちゃんへって入れて下さい」
本よりも真宮寺くん目当てだと一目で分かる女の子が、私の少し前でそう言って本を差し出した。
サラサラとペンを走らせ、次々と握手をこなしてゆく真宮寺くん。
さぁ、いよいよ次は私の番。
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