アウト―な世界に入ります。

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独り言癖は残念ながらここ数年で定着してしまった俺の欠点。今更直そうとは思わない。めんどうだし。 はぁ、とため息をつく兄貴に少々困惑。でも俺ってなんか悪い事したっけ。してないよね。そんな、ここはそのままの流れでアウトーな世界に入れ、なんて指令ないよね。あったら鬼畜すぎるよ。平凡な高校生に対して鬼畜すぎるよ。 「まぁとりあえず、これでお兄ちゃんに風邪がうつっただろうな!一件落着だな!」 「あのさ、本当にうつっちゃったの?俺楽になっちゃったんだけど」 さっきのキスの影響だと思うけど、なんだか身体が軽くなった気がする。 兄貴に悪いよな。 「うつったんだよ。まぁ、気にしないで」 「……兄貴、明日ってテストじゃね?」 「あ」 思い出したかのように呆然とする兄貴。そして急におどおどしながら俺にしがみついてくる。 もう一回キスして迅に風邪を戻そう!って訴えてくが、自分から風邪になろうとするバカはいないだろう。 しかも、兄貴がテストということはつまるところ俺もテストなわけで。成績落とす真似はしたくないってのは誰しも同じ。断ると、じゃあ無理矢理にでも、と言って顎に手かけられる。ちょっとドキっとした。 って、あれこれって俺死亡フラグ?いや、人生激変フラグ? あれれれれー?俺はいけない世界に踏み入っちゃたのか? にこにこと笑いながら覚悟しろよ、と呟く兄貴に、覚悟できてないからまって、という俺の返事は聞こえなかっただろう。その言葉はもう、兄貴の口で塞がれちゃってるから。 おしまい
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