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「先輩」
ゆっくりと顔を上げ、力無く「よう」と笑った。
あたしは先輩の隣に腰を下ろして三日月を見上げた。
「久しぶりですね」
「そうだな」
「何かあったんですか?」
単刀直入に聞く。
遠回しに聞いても時間の無駄。
「いや、別に」
「3日間部活に来なかったので心配してました」
「特に何もないよ」
何もないわけない。
だったらなんで学校には来て部活には出なかったの?
「あのさ」
躊躇いがちに口を開いた。
「なんですか?」
「望月は円香のどこがいいの?」
円香先輩と何かあったのかな?
一度だってあたしに質問をしたことなかった。
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