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「これにしよ」
真っ青な空の写真。
「これ誰のだっけ?」
あたしはあかりに選んだポストカードを見せた。
「奏太先輩のでしょ?」
「じゃあこれにしよ」
澄み切った空に小さな白い雲が浮かんでいた。
「ねぇ、尚」
「なに?」
あかりの方を向くとなんだか怪訝そうな顔をしていた。
「分かってて選んだんじゃないの?」
「え?何が?」
「その写真が奏太先輩のだから選んだんじゃないの?」
その意味に気が付いてだんだん顔が赤くなるのがわかった。
「やっぱりそーなんだー」
にやにやとあかりはあたしを見て笑った。
「ち、違うって!」
手をぶんぶん振って否定する。
「ますます怪しいー」
「本当に知らなかったんだってー!」
ちょっと待って。
なんでこんなに真っ赤になって否定してるんだろう。
きっとあのせいだ。
心当たりがあるから余計否定してしまう。
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