未来への扉

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1年はあっという間。 3年生が卒業するのもすぐなんだ。 奏太先輩とも悠斗先輩とも会えなくなる。 うー。 寒い。 先輩たちが大学に受かって3ヶ月が経とうとしている。 あかりはまた賞を取った。 今回も佳作で残念がってたけど、賞を取れるだけいい。 あたしはまだ結果を残せていない。 焦ってるわけじゃないから、のんびりやりたい。 今日は土曜日。 2月下旬にして特別寒い。 昨日雪が降ったからかな? こんな日は毛布に包まってじっとしていたい。 部活は好きな時間に来ていいって言ってた。 「何時だと思ってるの?」 部屋のドアが開いて、お母さんが入ってきた。 顔を布団から少し出して、掛け時計を見た。 「お昼過ぎ?」 「わかってるならさっさと起きなさいよ」 「でも寒いし……」 バサッといきなり毛布を剥がされ、冷たい風があたしを包んだ。
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