猫と銀弧の社

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小学生の時ならばただ動物に好かれやすい奴というだけだったのだが、中学、高校となるにつれ周囲からは毎日動物を連れて歩く変な奴と噂されるようになり最終的には関わったら猫に襲われるなどと根も葉もないような噂が立ち、仲が良かった数少ない友人も隣に住んでいる幼なじみすらみんな離れていってしまった。 分かりやすく言うとボッチと言うやつだ。 まあ、幼なじみはちゃんとした理由があるのだから(密会以外は)仕方ないとして流石に生徒達に距離を置かれると友達を作る以前に話しすら出来ない訳で… そんな俺がボッチ生活を開始して4年程経ったとある日。 学校で空気の読めない教師に精神的ダメージを与えられたり生徒達には距離を置かれ、一人で弁当を食べたりと何時もとなんら変わらない学園生活が終わり、帰宅しようと校門を抜けるとまるで待っていたかのように一匹の黒い猫が道を遮るように歩き出て来た。 綺麗な毛並みでどこか凛々しそうな顔をしたその猫は俺の前で立ち止まり、待ってましたと言わんばかりににゃーと鳴いた。
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