子犬な男1

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「まだ時間早いし、もう一軒行きませんか」 彼の言葉は私が予想だにして無かったものだった。 「私と?」 私は驚いた。 「合コンに参加してたってことは、今夜は時間あるってことですよね?」 確かに時間はある。 合コンも居心地が悪かった。 そこから救ってくれたのは彼。 だからって何でまた入江くんと? 今まで接点の『せ』の字も無かったのに? 疑問符は並んだ。 けど、これといって断る理由が見つからない。 噂の彼女に悪いというほど、私たちは釣り合ってない。 どう見たって姉弟か上司と部下だ。
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