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「あはは、すいません。もうしませんから」
入江くんは練習をやめた。
「そうして下さい」
私はピシャリと言った。
彼のやること全てが想定外で、私は驚かされたり悩まされたり焦らされたり。
こんな年下の男の子に完全に踊らされているなんて・・・。
「東子さん」
「もうしないって言ったでしょ」
私はつとめて冷静に言った。
もう動揺しないわよ。散々年上を遊んでくれちゃって!
「本番ですよ。東子さん?」
挑発的な眼差し。右の口角が上がっている。瞬きもしないで私を見据えている。
コ、コ、コイツ!
体中の血液が全て一点に集まったのかと思うほど顔が熱い。
・・・ヤラレタ!!!・・・
たぶん私は今世界一赤い茹でダコだ。
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