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『違和感』は暫し私の思考と言葉を奪っていた。
「お待たせしました」
ハッとして我に返る。
絶妙なタイミングでカクテルが運ばれて来た。なんだか救われた気がした。
ビタミンカラーの液体は私を強く誘惑する。
それは入江くんも同じだったようで、私たちは早速乾杯だけしてカクテルを口にした。
「美味しい」
という言葉に対してマスターは軽く頭をさげた。そして
「ここの店主で新谷彰と言います」
名刺を差し出して私に挨拶した。
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