仔犬の皮を被った狼2

33/37
前へ
/37ページ
次へ
ドキドキを抑えながらゆっくりとドアを開けた瞬間、グイと引き寄せられ抱きしめられた。 「忘れ物しちゃいました」 ヒョイと私を抱き上げて、そのままベッドサイドに下ろす。 「入っちゃダメって言ったでしょ!」 私は激しく怒った。 「ノックしました」 平然と言ってのける彼。 ノックしても入っちゃダメとか、ノックしたらいいとか、白々しく再度条件を確認するふりをしている。 そんなはずない!絶対わざとだ! ずっと怒っている私に 「今度からはそうします。今日はもう入っちゃいましたし。ね」 なんてふざける彼。 「 『ね』 じゃない!」 大声で叱った瞬間、再び私は抱きしめられた。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

247人が本棚に入れています
本棚に追加