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ドキドキを抑えながらゆっくりとドアを開けた瞬間、グイと引き寄せられ抱きしめられた。
「忘れ物しちゃいました」
ヒョイと私を抱き上げて、そのままベッドサイドに下ろす。
「入っちゃダメって言ったでしょ!」
私は激しく怒った。
「ノックしました」
平然と言ってのける彼。
ノックしても入っちゃダメとか、ノックしたらいいとか、白々しく再度条件を確認するふりをしている。
そんなはずない!絶対わざとだ!
ずっと怒っている私に
「今度からはそうします。今日はもう入っちゃいましたし。ね」
なんてふざける彼。
「 『ね』 じゃない!」
大声で叱った瞬間、再び私は抱きしめられた。
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