大人の男

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ふと、初めて入江くんと飲みに行った夜のことを思い出していた。 マンションまで送ってくれた後、見えなくなるまで手を振っていた彼の姿。 課長は全くタイプが違う・・・。 タクシーが視界から消えた。 私はマンションに向かって歩き出す。 ハイヒール。履かなくなったのは誰のせいとかじゃない。 入江くんと一緒に居る時間が多くなってから、なんとなくハイヒールを買わなくなった。 並んで歩く相手をいつの間にか入江くんに設定して買い物をしてる。靴だけじゃなく私服も。 DVDを借りる時だってそうかもしれない。今まで興味の無かったアクションものも手に取るようになってる。 課長にハイヒールのことを指摘されるまで、そんなことは意識してなかった。
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