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いくら彼が勝手に私の傍に居るのだとしても、私たちはこのままじゃいけない。
出来るだけ早い段階で解放してあげないと・・・。
マンションへ、最後の曲がり角を曲がった。その瞬間、私を待つ彼の姿が視界に飛び込む。私は走り出す。
彼もこちらに気づき、軽く手を振っている。
「ごめん。遅くなって」
息を切らす私。
「東子さん、お帰りなさい」
優しい笑顔に、こちらも笑顔で返す。
少し呼吸を整えて
「うん。ただいま」
って言った私の頬に、彼は軽くキスをした。
「もう!酔ってるの?」
怒っているような、ないような。私も酔ってるのかも。
「酔ってることにしときます」
前髪をかきあげながら、いたずらっ子みたいに笑う。嬉しそうな彼。
本当に、かわいい・・・。
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