大人の男
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入江くんは起き上がって、私の手を引くと自分の隣に座らせた。 「だから、ご褒美下さい」 「ご褒美?」 「今夜は東子さんからキスして」 「へ・・・?」 まだお酒が残ってるからなのか、瞳が潤んでいる。 切なく、訴えかけるように揺れる。 冗談で言ってるんじゃない。 強く握られた左手に彼の本気を感じた。
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