273人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
「東子さんがそう言うなら・・・会社では今まで通り『滝川さん』って呼びます」
ちょっと不満そうだけど、納得してくれたようだ。
私はホッとした。
「じゃ、先に行きますね」
私の安堵とは違い、彼は寂しげな表情を浮かべる。
そして少し早足になり前を歩く人たちを追い抜いていった。
みんなに隠そうとしたせい?
悪いとは思うけれど、最終的には誰にも知られずに終わるほうがお互いのため。
だって、どうせ終わるのだから・・・
始まることさえ無いかもしれないのだから・・・
最初のコメントを投稿しよう!