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私の思いを察したかのように、彼は手を伸ばしてプレゼントを受け取ってくれた。
「そっか、じゃあ、ありがたくプレゼント頂きます」
「うん」
良かった・・・。
正直、靴を渡すかどうか昨日まで悩んでいた。渡しても拒まれそうで不安だった。
「開けてもいいかな?」
ホッと肩を撫で下ろした私に彼が聞いた。
「もちろん」
私は答えながら思い出していた。
ちょうどアクセサリーケースを貰った時に、入江くんとこういうやり取りをしたことを。
プレゼントを開けた時の驚きと戸惑いと、心の中に生まれた温かい何かを・・・。
でも今回はあの時とは違う。別れてゆく相手からのプレゼント。彼はどんな反応をするのだろうか。
「あ、これ」
中身を見た彼は目を丸くした。
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