別れの花火と可愛い女1.5

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「僕が最後まで迷ったヤツだ・・・」 「当日に渡せなくてごめんね」 「まさか今日サプライズがあるんて・・・さすがに思わなかったな。絶対大事にします。 もったいなくて履けないかも」 新しい靴を手に持ち、眺めながら言った。 「カジュアルにも合うから、きっと普段でもOKだよ。履いてくれたら嬉しい」 「ありがとう」 この時、今日初めて彼と目が合った。 優しく穏やかな視線。一瞬、楽しかった週末が戻ってきたような錯覚に陥りそうになる。 いけない。これは最後の優しさなんだ。間違っちゃ・・・ダメ。 そう自分に言い聞かせ、彼の言葉に頷いた私。 「行きましょう。夜店とかも出てるし」 そう言ってドアに手をかけた彼。 「うん」 私も続いて車を降りた。
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