別れの花火と可愛い女1.5

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楽しそうなカップルや親子連れで賑わう夜店。 私たちもスパーボールすくいを楽しんだり、何年か振りに綿あめを食べたりした。 夜店のおもちゃ屋さんを懐かしく見ていると、プラスチックで出来た指輪を見つけた。 水色と青のマーブル模様のものを一つ手に取り眺めながら、昔々夜店でおもちゃの指輪を母にねだって買ってもらったことを思い出す。 「欲しいの?」 不意に彼が聞いてきた。 「ううん。子供の頃を思い出してたの。こういうの懐かしいなぁって」 指輪を元の場所に戻そうとした時、彼は私の手から指輪を取り上げた。 「これください」 「え?」
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