別れの花火と可愛い女1.5

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「薬指に入らなくて良かった・・・」 「え・・・」 「やっぱり僕じゃ、東子さんの薬指を飾ることは出来ないってことだろうね」 今にも泣きそうなのに、無理して笑顔を作る彼。その表情に、私も泣き出しそうになる。それ以上彼を見ることができなくて、急いで俯いた。 『薬指』という単語で、彼の気持ちの強さを改めて知る。 私の中には無かったゴールを彼が見据えていたことを今初めて知った。 私は指輪のはめられた小指をギュッと右手で握りしめた。 「ありがとう」 今まで私に向けられた穏やかな眼差し、優しい言葉、かわいい笑顔。 その彼の全てに心から感謝した。
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