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体中の水分が全部涙になって流れ出すのかと思った。
頑張ったメイクもきっとドロドロ。多分鼻水だって出てる。
彼の涙も止まらない。男の人が人前でこんなに泣くことなんて、そうあることじゃない。
綺麗な思い出を残すなんて、ただの理想だった。現実はそんな美しいものなんかじゃない。
一つの関係が終わる瞬間。きっとその思いが強ければ強いほど、みっともなくて、カッコ悪くて、そして・・・
痛い。
いつの間にか終わってしまった花火。
駐車場に向かう人込みの中、固く繋いだ手。
私たちは流れる涙を隠すことなく、ひたすら泣きながら歩いた。
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