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「あの・・・ね。入江くんこの前誕生日だったでしょ?」
「ん?」
「プレゼント、買ってたんだ。で、男物だしサイズもあるから・・・貰って欲しいの」
「でも・・・」
入江くんの言いたいことはわかってる。別れてゆく私たちが誕生日プレゼントだなんて変な話だ。
私は彼の次の言葉を待たずに話した。
「そのかわり・・・ね、前に貰ったバラのアクセサリーケース。貰ったままにしていいかな。とても気に入ってるの」
拒否されないように、上手に話をもっていこうと、昨日から考えておいた作戦。私はプレゼントを差し出した。
差し出した手が少し震える。
ヤダ、彼に緊張が伝わってしまう。
お願いだから、早く受け取って欲しい。
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