別れの花火と可愛い女2

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9月も半ばを過ぎ、朝晩に秋の気配を感じ始めた。 その頃になると私たち二人の噂も落ち着き、また新たな人たちの噂が出たりしていた。 珍しく定時で仕事が片付いた私は、誰よりも早くタイムカードを押した。 十分に買い物の出来る時間。帰りに秋物の洋服でも見に行こうと思っていた。 エレベーターを降りると、逆にエレベーターに向かって来る人が目に入った。 入江くんだ・・・。 私は足を遅めた。 彼も私に気づき、一瞬動きを止めたが、また直ぐにこちらに向かってゆっくりと歩き出した。
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