別れの花火と可愛い女2

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里緒菜ちゃんも里緒菜ちゃんだけど、入江くんも入江くんだ。あんなにベタベタされて、拒みもしないなんて。 さっきは私の手を拒んだくせに・・・。 やっぱり男の人はああいう女の子が好きなのよね。 それに・・・ 認めたくないけど、二人はお似合いだ。年齢も身長も何もかも、不釣り合いなところを探すほうが難しいくらい。 以前、二人が噂されていたことだって頷ける。 結局、私はその場に一人取り残された。 部屋に二人で居た時には、それ程感じなかった彼との年齢のギャップ。だけど、若い仲間と楽しそうな彼の笑顔に、里緒菜ちゃんと腕を絡めて歩く後ろ姿に、埋められない年齢の壁を感じていた。 やっぱり別れの選択は間違ってなかった。彼がさっき、ごく自然に私に接したのも、もう私を何とも思っていないから。 私が気にかけている程には、彼は私を意識していない。 こうなることを選んだのは私自身。結局は、無難なところに収まるのが、それぞれにとって一番の幸せ。 疎外感でいっぱいの自分を無理やり納得させて、私は会社を後にした。
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