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「あんまり、心配かけるなよ。俺も生きた心地しなかったぞ」
「すいません」
「その程度の怪我で済んで良かったよ。もしものことがあったら・・・俺もう・・・」
そう言って辛そうにしている課長の目の下には、よほど眠れなかったのかクッキリとクマができていた。
「ごめんなさい」
「もう、謝らなくてもいい。ちゃんと戻ってきてくれただけで・・・それだけで嬉しいよ」
謝ることしかできない私に、課長は優しく言った。
私には、それ以上に返す言葉がなかった。ただ黙って俯いている私に課長が続ける。
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