届かぬ想いと悪意の女2

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伝えようと思えば、電話一本で気持ちは伝えられる。 だけど、好きだからって、突っ走れるほど私は若くない。 入江くんから、直接『今も好きだ』と言われたわけじゃない。マスターの勘違いかもしれない。 もう、手遅れの可能性だってある。 だけどまずは、課長のプロポーズをきちんと断ることが先。 ここの後先を違えることは、絶対に許されない。 傷跡を指でなぞりながら、鏡の中の自分と向き合う。 明日にでも課長に時間を作ってもらえるよう、お願いしよう。
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