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今、俺の目の前には生徒会室の扉がある。これを開ければ、あのメンバーがいると思うとなんとなく逃げたくなった。
だが俺の腕を掴んでいる綾野がそれを許すはずもなく....
「みんな!蘭連れてきたぞー!」
バーンと勢いよくドアを開くと、大声で喋りだした綾野。
それに驚いて、仕事をしていた手を止めて、一斉に此方を見る生徒会メンバー。
「...こんにちは...」
とりあえず、挨拶だけはしておく。
「蘭君!来てくださったのですか!?」
普段の嘘くさい笑顔はどこへやら、頬を紅くした擢兎先輩が駆け寄ってきた。
「俺に会いに来たのか湊真?」
なんて俺様発言の劉明先輩。
「涼風ちゃんにぃ、蘭くんだぁ!俺にぃ会いにきてくれたのぉ?」
若干言ってることが劉明先輩と被っている深海先輩。
「あら..ぎ..あ..て、お..れ...しい..」
(蘭に会えて、俺嬉しい。)
俺の首もとに腕を回し、ぎゅうっと抱きついてくる黒瀬先輩。
「有人!蘭君から離れなさい!」
「っやっ!」
しっかりくっついている黒瀬先輩を引き離そうとしている擢兎先輩。
「えーっと、とりあえず座りませんか?黒瀬先輩は離れてください。」
諭すように言うと、渋々ながら離れてくれた。
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