3167人が本棚に入れています
本棚に追加
「紅茶を淹れてきますので、此方に座って待っていてください。」
擢兎先輩はそう言って、出入り口とは違うもう1つのドアを開け、その中へ消えていった。
俺は言われた通り、備え付けのソファに腰を降ろした。俺の左隣に綾野、右隣に劉明先輩が座り、あとの2人は文句を言いながら向かいのソファに座った。
暫くすると、人数分の紅茶とお茶請けを持った擢兎先輩が戻ってきたので、手伝おうと立ち上がったが、大丈夫だと言われたのでまた座り直した。
各々の前に擢兎先輩が紅茶を置いていく。
「このお菓子もとても美味しいので、良かったら食べてくださいね?」
と笑顔で言われた。
「ありがとうございます」
ニコっと笑い返すと、なぜか先輩の顔が赤くなり、それを見られないように手に持っていたお盆で自分の顔を隠した。
その様子を見ていた周りの生徒会メンバーは一斉に同じことを思った。
(((....無自覚...)))
そんなことを思われていると知らない俺は、擢兎先輩の淹れてくれた紅茶を冷めないうちに飲むことにした。
最初のコメントを投稿しよう!