企てる者

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「紅茶を淹れてきますので、此方に座って待っていてください。」 擢兎先輩はそう言って、出入り口とは違うもう1つのドアを開け、その中へ消えていった。 俺は言われた通り、備え付けのソファに腰を降ろした。俺の左隣に綾野、右隣に劉明先輩が座り、あとの2人は文句を言いながら向かいのソファに座った。 暫くすると、人数分の紅茶とお茶請けを持った擢兎先輩が戻ってきたので、手伝おうと立ち上がったが、大丈夫だと言われたのでまた座り直した。 各々の前に擢兎先輩が紅茶を置いていく。 「このお菓子もとても美味しいので、良かったら食べてくださいね?」 と笑顔で言われた。 「ありがとうございます」 ニコっと笑い返すと、なぜか先輩の顔が赤くなり、それを見られないように手に持っていたお盆で自分の顔を隠した。 その様子を見ていた周りの生徒会メンバーは一斉に同じことを思った。 (((....無自覚...))) そんなことを思われていると知らない俺は、擢兎先輩の淹れてくれた紅茶を冷めないうちに飲むことにした。
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