なぜ俺が・・・・

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いつまでも固まり続ける朱希はとりあえず放置しようと、副会長に振り返り、 「俺達、理事長室に行かないといけないんですが、案内してもらえますか?」 と副会長に言うと、何故か此方も固まっていたらしく一瞬の間が空いた後、はっと我に返ったらしく、 「はっ..はい。私に着いてきてください。」 そう言うと、くるっと来た道に向きを変えて、少し早歩きして進み始めた。 転ばないといいが...そう思いながら、また、朱希の手を取り副会長に遅れを取らないように歩みを進めた。 時折、此方の様子をチラチラと伺ってくる。その姿はご主人様に構ってもらいたい猫の様で可愛いなと思ってしまった。 何故か不機嫌な顔をする朱希に、手を引かれるのが恥ずかしいのかと思い離そうとすると、拒否するように強く握り返してくるその姿にも可愛いと思ってしまう俺は、早くも染まってきているのだろうか。
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