体育祭 前編

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「来栖様!?どこから....たしか執行委員でしたよね?」 東雲先輩、的確な突っ込みをありがとう。 「僕の実力を甘く見てもらっちゃ困りますね先輩!必要な物資の発送依頼も済ませましたし、コスプレのデザイン画(主に湊真に着せるの)も完璧に仕上げて僕の好きなデザイナーに製作してもらってるよ!」 朱希は自分の好きなことには全力投球するんだが、如何せんそれに巻き込まれるこっちにしてみれば、そのエネルギーを別に向けてほしいものだ。 「そう!それで、応援合戦でやりたいんだよ!剣殺陣が!!」 殺陣か... 「だが短期間で出来るものじゃないだろ?あれは相手との呼吸が合わないと怪我をする。」 「わかってるよ?だから相手役はプロに頼むし、指導もプロの人にしてもらうから!」 というか、これはありなのだろうか。 「会長達に聞いたけど、問題ないって!ほら、得点に関係ないから。」 さすが抜かりないな。 「俺達は練習する時間があるが、会長や副会長は役員の仕事があるから難しいんじゃないか?」 と杜峨先輩が指摘した。 「俺達は別に構わないぜ?それくらい余裕だ。」 ガラっと扉が開き、そこに現れたのは劉明先輩と擢兎先輩だった。 「擢兎もこれくらい出来るだろ?」 「当たり前です。私を誰だと思ってるんですか?斬り倒しますよ?」 劉明先輩に辛辣になる擢兎先輩。 「それじゃあ決まりだね!さっそく連絡しなきゃ♪僕の中で構想は練ってあるんだよ!やっぱり剣といえば新撰組だよね!時代劇とかで着てるあれも捨てがたいんだけど、ここはやっぱり黒服だよね!銀○だよね!○魂のあの制服に心惹かれないわけがないよ!残念なことにストーカーゴリラはいないけどそれは仕方ない!この場合って近藤さんの立ち位置って会長?でも会長なら土方さんでもイケる気がするよね。副会長は「ストップ!」...なに?」 いや、何じゃないだろ?みんなついていけずにポカンとしてるじゃないか。 「キャラ設定は大事だよ?ちゃんと言ってもらいたい台詞とかあるんだからさー」 「わかった。その辺は朱希に任せるから...」 「りょーかーい!早速明日から練習だからね♪」 スキップしながら出ていった朱希を見て、 「「「「「はぁ...」」」」」 その場にいた全員が溜め息をついたのだった。 体育祭まであと4日
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