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今日の授業も終わり、今から剣殺陣の指導を受けるわけなんだが...
「どうした...朱希?」
そう、発案者の朱希が部屋の隅できのこを栽培していた。
「昨日の夜一生懸命配役を考えたんだよ...そしたら...どう考えてもこの面子で銀○キャラをするのが不可能なことがわかってしまったんだ...なんとかね、合う人はいたんだよ会長とか...高杉やらせたらシンクロ率120%越えるんじゃね?くらいに合ってたんだよ...でも制服じゃないじゃん?僕は制服を着せたかったんだよ!どうしてこうも上手くいかないんだ...」
と言って項垂れる朱希。
「まぁ、それは仕方ないんじゃないか?」
「だから仕方ないから普通の新撰組でいくよ。」
ととりあえず解決したみたいなので、殺陣の練習を始めた。
「皆さんなかなか筋が良いですね。わずかな時間でだいたいの流れが出来てます。」
途中で劉明先輩と擢兎先輩が参加して、今は休憩中。
「次は細かい所をもっと綺麗に魅せる練習をしましょう。」
最初はぎごちなく探り探りの動きだったのが、数時間後には一連の動きが滑らかになっていた。
「今日はここまでにしましょう。明日は体育館で実際の距離感を掴んでもらいます。」
「ありがとうございました!」
終わった途端、床に座り込んだ。思った以上に体力を消耗したみたいだ。それは俺だけではなく、みんな同じみたいだった。
「あの人達すげぇな。俺達の倍動いてたのに汗一つかいてなかったぜ?」
「えぇ、体力は私達の方が若いぶんあると思っていましたが...」
「それは仕方ないですよ。彼らはプロですよ?僕達に教えた感じのは練習にもならなかったはずです。」
劉明先輩、擢兎先輩、朱希の順に話していた。
東雲先輩をチラリと見ると、床に這いつくばっていて、杜峨先輩が介抱している。
それにしても...
「あっつ...」
俺は風通しをよくする為に、シャツのボタンを3つ開けた。
「ちょっ!湊真!」
朱希に声をかけられ周りを見渡すと、皆俺の方を見て目を見開いて固まっていた。擢兎先輩は顔が真っ赤で今にも昏倒しそうで、東雲先輩に至っては気絶していた。
その東雲先輩を杜峨先輩が抱えて出ていってしまい、今この場には4人が残った。
「先輩大丈夫かな...やっぱり練習キツかったんだな。」
「「「この無自覚が!!!」」」
「は?」
この後俺は朱希にボタンを閉めるように言われ、人前ではやるなと怒られた。
―体育祭まであと3日―
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