体育祭 前編

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着替え終わったのでドアを開き外に出た。どうやら俺以外も着替え終わっているようで、皆袴姿だった。 「ところで...新撰組の羽織の色は浅葱色じゃなかったか?」 そう、今俺達が着ているのはよく知る青っぽいものじゃなく、闇の様に黒いものだった。羽織だけじゃなく 中の襦袢のようなものも、袴も全て黒で統一されていた。 「だって僕達は黒組だよ?黒組が青っぽい色着ちゃだめでしょ。黒も格好いいし♪」 確かに先輩達を見ると、整った顔に黒が栄えて良く似合っていた。 「てか異議は認めません!今からじゃ直しも無理だからね!」 まぁ、皆がいいなら俺は何も言わないよ。 「皆さん着替え終わりましたね?では最終確認をしていきましょう。今日は音響とSE(サウンドエフェクト)も入ります。」 音響関係はやってくれるそうなので、俺達は殺陣のみに専念する。 刀を合わせる度、鍔迫り合いをする度にSEが入る。 音が入るだけで本物のように感じる。 「SEのことは気にしないでください。皆さんの動きに此方が合わせるので。」 何度も何度も最初からぶっ通しで流していく。 着物での動きも大分慣れてきて、自然に体が次の動きをするようになってきた。 「皆さん、よく頑張りましたね。まさかここまでになるとは思ってもみませんでした。明日の応援合戦、頑張りましょう!」 「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」 やることはやった。後は明日の本番に賭けるのみだ。 「先輩、明日は宜しくお願いします。悔いが残らない最高の殺陣を魅せましょう!」 俺が先輩達に向かいそう言うと、 「フッ...当たり前だ。俺を誰だと思ってる?」 「えぇ、頑張りましょう。」 「蘭様の想いに必ずお応えします!」 「(コクリ)」 「僕には何もなし!?」 いよいよ明日は体育祭...
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