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着替え終わったのでドアを開き外に出た。どうやら俺以外も着替え終わっているようで、皆袴姿だった。
「ところで...新撰組の羽織の色は浅葱色じゃなかったか?」
そう、今俺達が着ているのはよく知る青っぽいものじゃなく、闇の様に黒いものだった。羽織だけじゃなく
中の襦袢のようなものも、袴も全て黒で統一されていた。
「だって僕達は黒組だよ?黒組が青っぽい色着ちゃだめでしょ。黒も格好いいし♪」
確かに先輩達を見ると、整った顔に黒が栄えて良く似合っていた。
「てか異議は認めません!今からじゃ直しも無理だからね!」
まぁ、皆がいいなら俺は何も言わないよ。
「皆さん着替え終わりましたね?では最終確認をしていきましょう。今日は音響とSE(サウンドエフェクト)も入ります。」
音響関係はやってくれるそうなので、俺達は殺陣のみに専念する。
刀を合わせる度、鍔迫り合いをする度にSEが入る。
音が入るだけで本物のように感じる。
「SEのことは気にしないでください。皆さんの動きに此方が合わせるので。」
何度も何度も最初からぶっ通しで流していく。
着物での動きも大分慣れてきて、自然に体が次の動きをするようになってきた。
「皆さん、よく頑張りましたね。まさかここまでになるとは思ってもみませんでした。明日の応援合戦、頑張りましょう!」
「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」
やることはやった。後は明日の本番に賭けるのみだ。
「先輩、明日は宜しくお願いします。悔いが残らない最高の殺陣を魅せましょう!」
俺が先輩達に向かいそう言うと、
「フッ...当たり前だ。俺を誰だと思ってる?」
「えぇ、頑張りましょう。」
「蘭様の想いに必ずお応えします!」
「(コクリ)」
「僕には何もなし!?」
いよいよ明日は体育祭...
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