体育祭 後編

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「ふぅ」 全力にはほど遠いが走ると気持ちがいいな。 俺はゴールテープを切ると、すぐに1と書いてある旗の列に並んだ。前には当然の如く朱希が座っている。 「お疲れさま、湊真手抜いてたでしょ。」 くるっとこちらを向いた朱希が俺だけに聞こえる声で喋る。 「準備運動してなかったからな。」 そう言うと笑われた。 「あ!緋鵺おかえり!」 どうやら2着で帰ってきたのは豹呀みたいだ。 綾野の声に隣を見ると、何故か豹呀がこちらを見ていて、目が合うとフイッと逸らされた。 200M走が終わり、テントに戻ると、 「蘭様!格好良かったです///」 「足速いんですね///」 とチワワのような子達に言われた。 「蘭様はあんなに足が速いのにリレーには出られないんですか?」 「東雲先輩」 スポーツドリンクを持った東雲先輩が俺の隣に座る。そして先輩は持っていたスポーツドリンクを俺に差し出した。 御礼を言ってそれを受けとる。 「応援合戦の他に4つ出ないといけないので、リレーは愁犀に任せました。」 と言って、俺は貰ったスポーツドリンクを一口飲んだ。
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