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side擢兎
今日は外部から新入生が入寮しに来るため、面倒ですが案内をしないといけません。本来なら生徒会長である劉明が行くべきものなのに、「俺は忙しい。これもお前の役目だと思って行ってこい。」などと抜かしやがりました。ただ面倒を押し付けただけじゃないですか。
私は仕方なく門へと続く桜並木を、これから会うであろう外部生の事を考えながら歩きました。
蘭湊真と来栖朱希...どちらの家もかなり有名で、特に蘭は世界に名を轟かせる大企業です。その有名な蘭家の次男に少なからず興味が湧き、どんな顔なのだろうと執務室にあった書類に目を通すが、肝心な写真が無かった。
一緒に合った来栖朱希の書類には写真があるのに...
それにしても来栖朱希は写真で見ても可愛らしい顔をしていますね。劉明や空知に狙われないといいのですが...
来栖朱希が可愛らしいのなら蘭湊真も可愛らしい顔立ちなのかもしれませんね。2人は幼馴染みと書いていますし。
桜並木も半分まで差し掛かると、前方から人が歩いてくるのがわかりました。きっと蘭君と来栖君でしょう。
私は2人に向かい足を進めると、ぼやけていた顔がだんだんはっきりしてきました。
「貴方達が外部入学生の蘭君と来栖君ですか？」
そう尋ねると、肯定の言葉が返ってきました。私が誰かと聞かれたので、
「私はこの海淵学園の生徒会副会長をしている御劔擢兎です。」
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