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「あ!劉明も走るのか!?俺もアンカーなんだぜ!」
「....そうか。」
「おう!負けないからな!」
「.....」
お馴染みの綾野が今度は劉明先輩に向かっていっている。
あいつはいつもあのテンションで疲れないのか不思議に思う。
ぼーっと2人を見ていたら、ふと劉明先輩と目が合った。
急に視線を外すと不自然なのでそのまま先輩を見ていると、向こうも微動だにしないのでどうしようかと思っていたら、
「な...に?....りゅ..め...?」
黒瀬先輩が俺の視線の先に劉明先輩がいることに気付き...
「っ!?黒瀬先輩っ、苦しいです!」
「....」
抱きついていた腕を強くした。
黒瀬先輩に気を取られて視線を外していたものを戻すと、劉明先輩はすでに自分のスタート位置にスタンバイしていた。
「黒瀬先輩?劉明先輩が走るんですから応援しましょう。」
「...みょ..じ...や!」
「はい?」
「りゅ..め...なま...お...れ、みょ..じ、..んで?」
えーと、黒瀬先輩は名前で呼んでほしいということだろうか。
「有人(ユウシ)先輩?」
先輩はやはり外せないので、そこは勘弁して頂きたい。
「ん//」
どうやら満足してくれたようで有人先輩の見えない尻尾はブンブン揺れていた。
「位置について...よーい...」
パァン
ピストルの音が鳴り響き、最後のチームが一斉に走り出した。
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