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普通はあれだけ離れてたら追い抜くなんて無理だろ?
「まぁいい...
で?有人はなにやってるんだ?」
俺の背後にくっついて離れない有人先輩を一蹴する。
「あー...有人先輩?そろそろ離れてほしいです。たぶんそろそろ「次の競技は、パン食い競争になります。出場する生徒の皆さんは中央ゲートに集まってください。」出番みたいですよ?有人先輩。」
そう言って離れるように促すと、渋々離れてくれた。中央ゲートに向かう先輩は時々此方に視線を向けながら歩いていく。
なんだか主人にかまってほしがってる犬みたいで可愛かった。
「いつの間に名前で呼ぶ仲になったんだ?この前までは名字で呼んでただろ...」
俺の隣に腰を下ろした劉明先輩がふいに口を開いた。その顔は何故か不機嫌そうに眉間に皺が寄っている。
「名前で呼ぶようになったのは、ついさっきですね。
劉明先輩は名前で呼ぶのに自分は呼んでくれないのかって言われたので...
まぁ、それを断る理由が特に見当たらなかったし...」
「そうか...」
「はい...」
2人の間に沈黙が流れる。
お互いなにを喋るわけでもないけど、別に嫌な感じはしなかった。
確か凪沙もパン食い競争出るはずだから応援してやらないとな。
なんて考えてみた。
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