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「てか、パン食い競争って...
結構普通の競技ですよね?」
朱希が考えるものだからもっとえげつないものでも出るかと思っていた。
「なんか湊真から失礼な言葉が聞こえた気がする!」
「気のせいだ、気にするな。」
「気になるし!」
後ろの席で暴れる朱希を隣に座る愁犀が宥める。
「ちなみに内容は半分普通じゃないぞ。」
今まで黙っていた劉明先輩が喋りだした。
「普通じゃないって、パン食い競争ですよね?」
「今から説明があるからそれを聞いたらわかる」
「パン食い競争を始める前に少し説明をします。基本は一緒ですが、最初にルート上にあるクジを引いてもらいます。ハズレを引いた人はそのまま走ってもらい、フランスパンがぶら下がっているので、それを完食してもらいます。審判が完食と認めないとゴールできませんのであしからず。」
フランスパンを丸々1本、水分なしで完食は普通なのだろうか。
「そしてアタリを引いた人はラッキーです!
気になる相手、憧れの人を1人選び、
その方とポッキーゲームをしていただきます!」
それを聞いた瞬間、出場する生徒がざわめいた。
周りからは出ればよかったと後悔する声がちらほら聞こえる。
「此方にもクリア基準があります。今回通常の5倍の太さのポッキーを用意してあります。それを両端から食べていき、5センチ以下まで減らせたらクリアとなります。失格条件は5センチ以上残った場合と、1センチ以下まで減ってしまった場合になります。もし失格になってしまった場合、組の得点から50点が引かれることになるので注意してください。」
「ということだ。」
さも自分が説明したかのように言う劉明先輩。
「なんか、アタリなのにリスク高すぎじゃないですか?」
「アタリのやつに選ばれた相手に対する配慮だろ。」
まぁ、わざわざ失格になるようなことをして組内から反感を買うやつはいないだろうからな...たぶん。
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