3168人が本棚に入れています
本棚に追加
「午前の部は終了致しました。只今より1時間30分の休憩時間になります。」
適度な運動をしたおかげで空腹になり美味しい昼食を摂れそうだ。
通常の体育祭の昼食は母親が作ってくれるお弁当を家族でそれを食べるがここは隔離された男子校、特に家族が見に来ることはなく昼食もいつものように食堂を利用する。
俺も食堂へ向かうため、朱希と愁犀そして凪沙を探す。
愁犀と凪沙は黒組のテントで待っていたらしく俺を見つけると椅子から立ち上がった。
「朱希は?」
いつもなら朱希も俺を待っているのにどこにも姿がない。
「なんか3年の先輩に連れていかれたけど...あのたまにうちのクラスに来る...何て言ったっけ?」
思い出せねぇと言って後頭部を掻く愁犀。
「夏目倖先輩だよ愁犀。」
隣にいた凪沙がすかさずフォローする。
夏目先輩が?
「今夏目と言いましたか?」
一緒にテントに帰ってきた擢兎先輩が口を開いた。
「擢兎先輩知ってるんですか?」
「知ってるもなにも彼は私の親衛隊隊長です。」
夏目先輩が擢兎先輩の親衛隊、しかも隊長?
あれだけ話をしたのにそんなこと一言も言わなかったのは何故だ?
夏目先輩に対して疑惑の念が浮かんでくる。
「もし本当に来栖君が夏目と一緒なら少し心配ですね...」
「どういう意味ですか?」
少し考えた擢兎先輩は俺の目をしっかりと見ると、
「実は...彼からはあまり良い噂を聞きません。表面上は優しい顔をしているのですが、裏では私に近づく者を様々な手段で...」
潰している。
最初のコメントを投稿しよう!