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何件か被害届が出ているのだが、それに夏目先輩が関与した証拠があるわけではなく、今までうやむやになっていたらしい。
それに被害者が事件に関して詳しく話さないらしい。話さないのではなく話せないのではないかと思うと擢兎先輩は続けた。
つまりは脅されている...
「探さないと...」
顔を青くした凪沙が呟く。そうだ、早く見つけないと朱希が!
だがこの広い校舎を数人で探すのは時間がかかりすぎる。
「蘭様」
今まで口を挟まなかった俺の親衛隊隊長の東雲先輩が初めて発言した。
「私達も来栖様を捜索します。もし可能でしたらお二人の親衛隊にも捜索の手伝いをしていただきたいのですが...」
と言って愁犀と凪沙を見る。
「わかりました!俺達の親衛隊にもすぐに伝えます!」
直ぐ様携帯で連絡をとる愁犀と凪沙。
「見つかり次第ご連絡しますね?」
失礼しますと言って副隊長の杜峨先輩を連れて去っていった。
「湊真、こっちも今みんなに探してもらってる。」
と携帯を切った愁犀が俺に声をかける。
「ありがとう、俺達も行こう!」
俺と擢兎先輩、愁犀と凪沙の二手に別れて走り出した。
本当は他の生徒会メンバーも探すと言っていたんだが、生徒会には生徒会の役割がある為、遠慮した。
擢兎先輩は自分の親衛隊だからと責任を感じて俺に着いてきた。
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