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「貴方が私のことをどれだけ想っていたのかはわかりました。しかし今までの行為を赦すことは出来ません。」
理由がどうであれ人を傷つけていいものではないでしょう。
それに、私が赦してしまえば彼の行為を正当化してしまうことになります。
「わかっています...赦されることではないことは...」
彼の中にもまだ光は残っているようです。闇に埋もれてしまってはいますがその中で消えないように必死に光輝いています。
「私は...
やはり貴方を好きになることは難しいと思います。貴方がしてきたことは抜きにしても...私が心動かされるのは...湊真しかいませんから...」
私は夏目に偽りではない本当の笑顔を向けた。
「.....久しぶりに拝見しました。擢兎様の本当の笑顔...きっと蘭君が引き出したのでしょうね。
やっぱり彼はムカつきますが、危害を加えれば貴方が悲しみますし...僕ももうこんなことをしたくない...」
彼の中の光が強くなっていくのが解ります。
「なんだか胸の中の重りが取れた気がします。言葉にするのって大切なんですね。」
ニコリと笑う彼は綺麗で、少し鼓動が高鳴った。
「擢兎様、もしご迷惑でなければこのまま貴方の親衛隊隊長を続けてもよろしいでしょうか...
もちろん2度と制裁など、人を傷つけることはしません!
ただ...近くで貴方が幸せになるのを見届けたいのです。」
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