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「きっと...私の判断は甘いと...言われるのでしょうね...
沢山の罪を重ねた貴方に処罰という処罰を与えないんですから...」
「擢兎様...」
「過去の過ちを後悔し、変わろうとする貴方を、私は放っておくことが出来なかった...」
罰を与えれば傷つけられた者の気持ちは少しは癒えるのかもしれません。けれどそれではその場をやり過ごすことはできても、また同じことを繰り返してしまうのではないかと思うのです。
傷つけた者と傷つけられた者、両者が変わるためにはまず傷つけた者が変わらなければ...
「擢兎様...
僕は自分の為に...いえ、過去に傷つけてしまった人達の為に変わりたいです!」
強い意思を秘めたその瞳に嘘はなさそうです。
「変わるためになにをしなきゃならないか、解りますね?」
ゆっくりと頷く夏目。ちゃんと理解しているようで安心しました。
「では、最初の一歩を踏み出しましょうか。」
私は外で待ってくれている彼等の元へ向かいました。
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