なぜ俺が・・・・

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「そう 言ってもらえて良かった。」 そう言い微笑む理事長は、大人の色気が漂っていた。 この人もきっと人気があるんだろうとそう思った。 「さて、そろそろ君達は寮に行って荷物の整理をしないといけないね?」 そう言うと、俺達にパンフレットを1部ずつ渡してくれた。 「これは?」 「この学園の地図や注意事項などかいてある。寮への道も載っているから見ながら行くといいよ。」 確かに地図の他に建物内の各階の施設の説明など色々載っていた。 「ありがとうございます。」 一礼し扉の前まで来ると、もう一度理事長の方へ向き、 「失礼します。」 と、朱希と2人で頭を下げ理事長室を後にした。 一方、2人が出ていった室内では、 「お二人とも綺麗な顔立ちでしたね。」 3人の話の邪魔をしないように控えていた秘書が総一郎に話しかける。 「来栖君は綺麗というより可愛い感じだったけどね。」 「そうですね。蘭君の方は貴方のタイプど真ん中ですけど...浮気は駄目ですよ?」 そう忠告すると、 「わかってるよ。私は奥さん一筋だからね。蘭君はお気に入りなだけさ。」 そう微笑む彼の左手薬指には、シルバーの指輪が光っている。 「でもあの2人はこれから大変だと思うよ?顔も家柄も頭も良いんだからここの生徒がほっとくわけないだろうし。」 「来栖君はタチに、蘭君はタチとネコ両方に狙われるでしょうからね。」 なにもなければいいのだが...と、先程2人が出ていった扉を見つめた。
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