いざ寮へ

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「それより俺達の部屋の鍵を...」 相手をすることに疲れてきたので、鍵を渡すよう促した。 「ちょーっと待ってねー!」 工藤先輩はそう言うと、開いていたドアの中に入っていった。暫くすると2枚のカードらしきものを持って出てきた。 「はーい。これが鍵だよー。」 手渡されたのは先程のカード。これが鍵なのか? 「そのカードは部屋を開けるだけじゃなくて学生証とクレジットカードになってるんだ。だから無くすと色々困ったことになるから気を付けてね?」 これ1つにそんなに機能があるのか...無くすと再発行に時間がかかるらしいから無くさないようにしないとな。 俺はすぐに貰ったカードを胸の内ポケットに入れた。 「さっきのカードキーの色からして2人は主席と次席だよね?なら2人の部屋は...6階の601と602だね。」 「そうですか。ありがとうございます。行くぞ朱希。」 「うん。ありがとうございました。」 「またなにかあったらいつでも来てねー。」 へらへらと笑いながら手を振る工藤先輩に一礼し、俺達は奥にあるエレベーターに向かった。 バタン... 2人を見送った後自室に戻る。 「2人ともタイプだったけど蘭君は今んとこノーマルっぽいし、来栖君は蘭君を好きなの見ててわかるし...手は出せないか。」 俺は来るもの拒まずだし、手を出せるなら襲っちゃうけど野暮ではないから、相手がこちらに恋愛的な好意を持ってないなら絶対に手を出したりしない。 「仕方ない。先輩として見守りますか!」 そう誓った夕貴だった。
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