いざ寮へ

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部屋に入り中の様子を伺う。 「学生1人で使う部屋じゃないだろ...」 10畳以上は余裕であるリビング、リビングを見渡すことの出来るオープンキッチンには最新の電化製品や調理器具などがある。 勿論バストイレは別だし、バスルームには男2人でもゆったり入れるバスタブがある。 そして寝室は、恐らくクイーンサイズはあろうベッドと壁側にはウォークインクローゼット。 「ここにいたら金銭感覚が狂いそうだ。」 溜め息をつきながら、部屋に運び込まれたダンボールから荷物を出し、それらが収まるべき場所に置く。 全ての荷物を片付け終え、携帯の時計を見ると17時を過ぎたところだった。 部屋に入ったのが15時ぐらいだったから2時間かかってしまったようだ。 朱希もそろそろ終わる頃だろうと考えていると、部屋のインターホンが鳴った。 玄関のドアを開けるとやはり居たのは朱希だった。 「湊真もう片付け終わった?まだなら手伝うよ!」 「いや、もう終わってるから大丈夫だ。」 そっかーと言いながら俺の部屋に入っていく朱希。 「湊真の部屋も僕の部屋と同じ感じだね。」 リビングにある備え付けのソファに座る朱希。俺もその隣に座る。 「ねぇ湊真?僕お腹すいてきちゃった。ご飯どうする?」 上目遣いでこちらを覗きこむ朱希を横目で見る。こんな顔してここの生徒の前に出ていったら襲われるぞという意味を込めて、朱希にデコピンをする。 「っったぁい!いきなりなにするのさ!」 と涙目になりながら自分の額をさする。 「自分で考えろ。」 むーっと頬を膨らませ、また上目遣いで睨んでくるが全然効かないぞ。 「部屋の冷蔵庫にはなにもないし、今から買いに行ってもいいがどうする?」 まぁ2階に食堂があるから困ることはないが。 「今日は湊真も疲れてるだろうし、食堂にしよっか!」 ということで夕飯は食堂で食べることになった。
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