いざ食堂へ

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「注文はこれでするのか?」 普通はこの規模なら券売機だろ? 「湊真、ここはお金持ち学校だよ?券売機なんてないからね?」 考えていたことがバレていたみたいだ。 「注文はね、このモニターのタッチパネルから好きなメニューを選んでー、決まったら決定のとこをタッチして精算画面になるからここに学生証をスライドさせるんだよ。」 と手慣れた様子で自分のメニューを決めつつ俺に操作方法を教える。 お前も今日ここに来たばっかりだよな?なぜそんなに詳しい... 「ん?僕が操作方法知ってるのは色んなBLを見てきたからだよ?」 疑問に思った俺が馬鹿だったよ... 俺は朱希からパネルを受けとると先程の一連の流れを繰り返した。 最後に学生証をスライドさせると、ピピッという電子音の後に、注文承りましたという文字が画面に表示された。 暫くするとウェイターが2人、俺と朱希の注文したものを持ってきた。 「お待たせ致しました。」 そう言うとウェイターは俺達の前に料理を並べた。 俺はカルボナーラとサラダ、朱希は大盛のカレーライスに食後のデザート。こんなに小さいのによく食うんだよ朱希は。 「来栖様のデザートは食後にお持ちしますので食べ終わったらお呼びください。」 「ありがとうございます。」 「ありがとうございます☆」 料理を持ってきてくれたお礼を言うと、2人は目を見開き驚いていた。 しかしすぐに仕事の顔に戻し、俺達に一礼すると厨房の方へ向かった。 「なにをあんなに驚いていたんだ?」 「ここはお坊ちゃんばっかりだから、持ってくるのは当たり前になってるんだよ。」 ここの奴等は感謝の言葉も使えないのか... そんなんで社会に出て通用するのか?
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