蘭湊真の憂鬱

入学式

桜の花びらが舞い散る4月某日、私立海淵学園の入学式が執り行われた。

といってもほぼ全生徒が持ち上がりの為、この入学式も通過儀礼にしかすぎない。

だが今回は違う。昨日食堂に現れたら2人の少年が外部入学生だとわかったからだ。

そして2人が今回の入試で首席と次席ということも。

だからなのか、いつもは任意参加の2年や3年が出席している。

新入生も新入生で、普段は滅多に式には出ない上級生や例の2人のことを考えると、妙な緊張感に包まれた。

「それでは、只今より第〇〇回海淵学園入学式を執り行います。」

静寂の中、式は進められた。