蘭湊真の憂鬱

入学式

「本日は私達新入生の為にこのような盛大な入学式を催していただき、誠にありがとうございます。理事長をはじめ、諸先生方ならびに来賓の皆様にも心より御礼申し上げます。

晴れやかな空と柔らかく暖かな風に舞う桜の花びらが、まるで私達を歓迎しているようでした。

私はこの学園に2つのことを学びにきました。1つは勿論勉学です。この学園に通っている生徒のほとんどが将来家業を引き継ぎ、何千、何万の社員の生活を背負っていかなければなりません。そのためには知らないことを1つでも無くさなければいけません。沢山学び、知ることにより、それが自信へ繋がると思っています。

2つめは、心の成長です。この学園は周りから隔離されているため、集団生活でいかに個を守り、個を主張するかとても重要になります。この2つは正反対の位置にあると思われますが私は違うと思っています。自分を知ってもらうには、まず相手を理解すること。押し付けるだけではなにも生まれない。相手を思いやることが自分を成長させてくれるはずです。

最後になりますが、理事長ならびに諸先生方、そして先輩方には温かいご指導とお導きのほどをよろしくお願い申し上げます。私達新入生一同は、歴史と伝統ある海淵学園の生徒としての誇りをもち、その名に恥じぬように限りある学園生活を送ることをここに誓います。

以上をもちまして私の宣誓の言葉とさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。
新入生代表、蘭湊真。」