新しい友達

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翌日 ガラッ 「おっおひゃっ、おはよう蘭君!」 教室の扉を開けると、クラスのやつが挨拶をしてきた。 「...おはよ。」 無視する理由もないのでとりあえず挨拶を返す。 それから自分の席に辿り着くまで、ほぼそこにいた全員から声をかけられた。 まぁそれは俺だけじゃなく、朱希や愁犀もだったんだが。 それにしたって... 「なんだったんだ...昨日はこんなことなかったのに...」 四方八方からくる挨拶の嵐に、朝から疲れてしまった。主に精神が。 「いやー。今日は凄かったなぁ!湊真大丈夫か?」 「これが大丈夫に見えるか...?」 机に伏せってぐったりしているこの姿が大丈夫だと言えるか!? 「湊真はあんまり大勢で話しかけられるの苦手だから...」 湊真は昔、大勢の女の子に囲まれ交際を迫られたことがあり、それ以来人に群がられるのが苦手になったのだ。 「てことで明日からは控えてくれると嬉しいな☆」 朱希が極上スマイルでクラスメイトにお願いすると顔を真っ赤にする奴や、下半身を押さえて教室を出ていく奴、その場で気絶する奴、ある意味地獄絵図。 「あれ?皆どうしたの?」 原因である本人は気づいてない。 「朱希って天然なんだな!」 ニコニコしている愁犀。どうやらこいつには朱希の笑顔も通じないらしい。 ガラッ 「おはよう!ってあれ?なんか人少なくない?」 朱希にやられて人が少なくなった教室に見たことのない生徒が入ってきた。
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