新しい友達

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「こんの阿呆愁犀!なんで置いていくのさ!?普通なら入学式を休んだ可哀想な友達を気遣って部屋まで迎えに行ってあげようって思わない!?ねぇ!!」 愁犀の胸ぐらを掴みながら、すごい勢いで捲し立てる。 「ちょっ!?落ち着け凪沙!!目がまわる!」 ハッと我に返った凪沙と呼ばれた少年は、愁犀から目を離し、後ろの席に座っていた俺と朱希、そして今もなお目が点になっているクラスメイトを見ると、ボンって音が鳴りそうなくらい顔を真っ赤にして、その場にしゃがみこんでしまった。 「やだやだ!もぅ愁犀のせいで僕は初日早々大恥かいたよ!もう早退する!そして明日からは部屋に引きこもるぅぅぅ!」 なんだろう...色々大変なやつだな。 「こいつが昨日言った奴な!名前は叶凪沙(カノウナギサ)。見た通りかなり感情の起伏が激しいんだよ。」 愁犀がすぐ順応する理由がわかった気がした。 「暫くしたら落ち着くから。」 愁犀はそう言い、彼の隣に座り込み両腕に顔をうずめる頭を撫でている。 暫くすると落ち着いたのか、顔を上げた。 「爽やか×ちょい病みウマー!!」 腐男子は空気を読めないのか?まぁ言われてる本人たちにわかってないからよかったのだが。 「愁犀...この人達は?」 愁犀の後ろに隠れてこちらを伺うように見てくる。 「俺の後ろの席のやつが蘭湊真で、その隣のやつは来栖朱希。昨日仲良くなったんだ。」 「よろしくねー♪僕のことは朱希って呼んで☆」 「よろしくな。俺は湊真でいい。」 「うん//よろしくね!僕は凪沙って呼んでほしいな//」 俺達への警戒心も解けたみたいでニコッと笑ってくれた。
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