3167人が本棚に入れています
本棚に追加
ガラッ
「皆席に着け...なんか人少なくないか?」
教室に入ってきた担任は辺りを見回しながら言った。
犯人は横に座ってる奴です。
「まぁいいか。とっとと委員決めてしまえ。いないやつのは適当に割り振っとけ。」
どうやら教室にいないやつらは選択権すら与えられないようだ。御愁傷様。
「最初はクラス委員な。クラス委員が決まったらそいつが中心になって他の委員を決めろ。決まったら紙に纏めて俺のとこに持ってこい。」
そう言ってさっさと出ていってしまった。自由な担任だな。
暫く沈黙するクラスメイト。
「それじゃあ、とりあえずクラス委員決めようぜ!」
最初に口を開けたのは愁犀だった。
「愁犀でいいんじゃない?言い出した人が責任持たなきゃね。」
と凪沙が愁犀を横目で見る。
「俺かよ!?うーん。やりたいやつがいないならやってもいいけど...」
ちらっとクラスを見回したが誰もいないようなので愁犀がクラス委員に決定した。
「それじゃ、他の委員も決めていこうか。」
そこから次々に委員が決まっていった。いないやつに押し付けてたから決まるのが早い早い。
「んじゃ最後に企画実行委員だな。これは主に新歓とか体育祭、文化祭の企画の発案、立ち上げを指揮する役割を担う。誰かやりたいやつ「はーい!!僕やりたーい♪」じゃあ朱希で決定。」
司会の愁犀を遮ってまでやりたかったのか。
「やったね♪新歓までには王道君もきっと来るだろうし楽しい企画考えなきゃ!やっぱりここは鬼ごっこだよね!いかに萌え的展開を作るか!腐男子の腕の見せどころだね♪フフフ」
自分から進んで委員になりたいなんておかしいと思ったらやっぱりそういう理由か。
朱希がしきりに言う王道転校生が本当に来るのだろうか。
そうなったら平穏な日々はなくなってしまいそうだから、朱希の思い違いであってほしい。
湊真の願いも虚しく、転校生はやって来た。そしてその転校生が巻き起こすトラブルに巻き込まれていくことをまだ知らない。
最初のコメントを投稿しよう!